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一枚の紙が九鬼の机の上に広げられていた。そこに地区別に書きこまれた飲食店舗の名前の横に、九鬼は警備官の名前を書いては消していた。 「大林はいるか、大林」 九鬼は大きな声を張り上げると、部屋中に響けとばかりに、大林警守長を呼んだ。 総務課のお下がりのコピー機は、その時も紙詰まりを起こして、大林を汗だくにしていた。 「何ですか、班長。傍にいるんですから、そんなに大きな声を出さないでください」 自然と大林の返事も鋭くなっている。 「あ、うん。見えなかったからな」 九鬼は目の前に大林を捉えると、まるで他所にいる者に話しかけるような声音で、尋ねるのだった。 続く |
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