三 不審な在宅事件(10)

 その時、メイランが携帯電話で男を吊り上げる方法を思いついたのだった。
 落とした、正確には置き忘れた風を装った携帯電話を、拾った男が連絡して来る。その御礼にと言ってメイランが男に取り入ろうという計画だ。
 だが、良い発想だと思ったこの方法も、殆んどその目的を達することができず、失敗の連続だった。
 携帯電話を目立つところに置いたら、直ぐに交番に届けられたり、目立たぬところに置いたら、二日も三日も誰にも発見されなかったり、拾った相手が女性だったり、散々な結果の果てに片岡が拾ったのだった。
 疑うことを知らない片岡を相手に、メイランは片岡と林(リン)の結婚をまとめあげようと一生懸命だったが、片岡は最初からリンは眼中に無い様子で、次第にリンの方も反応の悪い片岡には興味を失って行くのだった。
 片岡を口説き落とそうと一生懸命なメイランとしょっちゅう話をしているうちに、片岡は益々メイランに執心するようになり、メイランも夫との仲がギクシャクするようになって、片岡を見る眼が次第に仕事の対象者であるというものから変化して行くのだった。

 続く

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