十四 逃走の果てに(5)

 渡された弁当を手に持ち片岡は、メイランの見送りを背に家を出た。
 それも端から見れば新婚間もない仲の良い夫婦の、微笑ましい朝の風景に見えるに違いない。
 メイランの視線を背中に感じながら、その日も片岡は駅への道を辿ろうとしていた。
 駅に着いたその日の片岡はいつもの二番線のホームではなく、反対の一番線のホームに立ち、東京方面の電車を待つのだった。
 片岡の表情は硬く、何かを決心していた。
 今の生活を失うかも知れない危険を冒してでも、知りたいことが、知らなければならない事があると片岡は思っていたのだった。

 続く

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