十四 逃走の果てに(6)

 メイランと片岡が一緒に入管へ行ったときに、早くホアホアを捕まえてくれと言っていたメイランの言葉に、その後、片岡は不信感を抱いていた。
 警備官に真剣な表情で愁訴するその姿を見て、一時片岡はホアホアに対する恋情が失くなったのだろうと考えた。
 だが、その後の夫婦関係はすっかり冷め切ったものとなっており、いくら片岡が誘っても何かと理由をつけては、メイランは婉曲に断りを入れていた。
 如何に女性経験が少ない、いや無かったとも言える片岡も、次第にメイランが自分を嫌っていると思い始めていた。
 そしてその日、片岡は役所に行った後のメイランの行動を看視しようと考えたのだ。
 一人になったメイランが何処かで、ホアホアと逢っているのではないかと疑っていたのだった。

 続く

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