十四 逃走の果てに(10)

 花村は陳華平の追跡調査の見直しを迫られていた。
 陳美蘭が提出した立ち回り見込み先のリストは、ホアホアが居住していたり、事務所として使っていたりする中国人関係の場所ばかりだったが、ホアホアが嘗て仲間であった中国人からも追われているとなると、そこに身を寄せる筈はなかった。
 海老川から連絡を受けた花村は、ホアホアが仲間だった筈の中国人からも追われている理由、そこに注目していた。
 中国人たちはホアホアが斡旋した日本人旅券の配布リスト、誰に誰の名義の旅券を配布したのかを承知しているし、そのリストを持っていることで追われているというのだった。
 身元不明の日本人の旅券を中国人に斡旋するのは、ホアホアだけではできないことだし、稲川が手助けできるとは思えなかった。
 「富樫だ、行政書士の富樫が関与している」花村の脳裏に一人の男が浮かんだ。

 続く

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