十五 強制送還(6)

 移動するとしたら、もうそろそろ行動に移さないとならなかった。お守り代わりのプラスティックチップを入手するために立ち寄ったのだが、ズルズルと長居をしてしまっていた。
 余分なプラスティックチップをポケットに仕舞い込んだホアホアは、何処か心が落ち着いて、次の一歩を踏み出す決意が固まっていた。
 夢と希望を抱いて日本に来て、善いことも悪いこともした。常にその時の最善の選択をする知恵もあった。ただ、少しずつ狂いだした歯車を修正する技術を持てなかったらしい。
 今となっては、取り返しの付かない状況の大本に位置しているのは自分でも分かる。選択する道も最早一つしかないのも分かっていた。自分を祭り上げていた仲間達はもう自分を必要とするどころか、自分の存在が彼らの存在を危機に陥らせていると考えている。
 そろそろ潮時ということだ。全てを白日の下に晒して、終わらせなければならない。その責任と義務を果たさなければならないのは分かっていた。口元をきゅっと締めると、ホアホアは重い腰を上げた。

 続く

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