十五 強制送還(9)

 マイクロバスを運転している花村は、助手席に座る九鬼の姿を見ながら苦笑いを禁じ得なかった。
 九鬼の手帳に記されていたホアホアの前件に係る記録を大渕が聞いたのだが、複雑な記号や地図の断片と覚しき内容で、口頭で聞いても良くわからないのだった。
 結果、班員を乗せたマイクロバスを花村が運転し、本局に居る九鬼を迎えに行くことになったのだ。
 九鬼はホアホアの潜伏している場所が、かつて九鬼がホアホアを摘発した場所であることを聞き、それなら自らが同行する以外にないと目を輝かせてマイクロバスに乗り込んで来たのだった。
 マイクロバスの中で九鬼は上機嫌で鼻歌こそ口ずさまない迄も、次々と進行方向を指示していた。
 花村も九鬼の手帳を見せて貰ったのだが、意味不明の記号や複数のページに分散して書かれている内容がそれぞれ関係しているらしく、内容を理解することはできなかった。
 あの意味不明の記載事項を見て、花村に的確な指示を出す九鬼の頭の中を想像して、花村は再び頬を緩ませるのだった。
 マイクロバスは常磐道の柏インターチェンジを降りると国道50号線を千葉方面に向かうのだった。

 続く

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