偽装結婚について考える(11)

 女性の入国警備官を含めて、総勢五人の態勢で池尻大橋の居宅に踏み込むことにした。
 オートロックのそのマンションは申告してきた居住地とは別格の様相を呈していた。直接、訪問する訳にも行かないので、どうしたものかと思案していたところ、外出しようと出てきた住人が玄関を開けたときに中に入り、聞き込みをしてみることにした。
 親切な住民で、そのマンションは分譲マンションなのだが、一部分は賃貸に出されており、当該の部屋は賃貸であることがわかった。
 また、管理組合があり、そこを訪ねてみればその部屋に住んでいる者であるとか、事情を知っているのではないかと話してくれた。
 教えられた通りに管理組合の会長を務めているという部屋を訪ねることにした。
 会長宅で聞き込んだところ、その部屋は示した写真の女と日本人の男が住んでいるが、日本人の男は写真の人ではなく、こっち系の男でもう少し年配であると言って、頬に切り傷があるという意味で指を頬に滑らせるのだった。
 更に女が不法残留していることでの調査であると言うと、部屋にはそれらしい男たちが複数出入りしており、分譲で購入した住人たちからも夜間の騒音が絶えない時もあり、何とかならないかという苦情が出ていると言って、捕まえてくれるのならと組合が持っている鍵を俺の手に押し付けるのだった。

 続く

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