偽装結婚について考える(8)

 実態調査に当たっては、事前に連絡を入れてやることはない。況してや偽装結婚を疑っている事案の実態調査であるから、抜き打ちに実施することにした。  役所で待っている俺に、橋山から連絡が入った。居宅を訪ねたが応答がないというのだ。近隣の聞き込みを行ったところ、そのような夫婦が住んでいるという認識もないというものだ。  ここで、はい、居住…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

偽装結婚について考える(7)

 事件に着手したのは抗議を受けてから、更に半年ほど経ってからだ。少し寝かせておこうという考えもあったが、他の案件で手一杯だったというのが真相だ。  それまで全く接触していなかったので、取り敢えずは呼び出してというのが順序なのだが、俺は現地調査をすることを選択した。  当時、在留を希望する事件を担当する在宅事件班は、俺の他に三人の男性…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

偽装結婚について考える(6)

 不法残留していたので、出頭申告して来て、在留特別許可を貰おうとする日本人の男は建設作業員で、韓国人の女との年齢差は三歳、その点では普通の結婚のようにも思えるケースだった。  4月に引き継いで、俺が担当することになった時には、出頭してから既に半年が過ぎていた。  当時は収容しないで在宅で調査する案件が溜まりに溜まっており、違反調査は…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

偽装結婚について考える(5)

 不許可とするには、追跡調査が必要となる。疑わしいと思っていても、入管側に疑わしい事実を証明する必要があるからだ。  追跡調査にはどのような手法があるのだろうかをお話しする。  第一には現地調査である。夫婦が同居しているとされる住所地に赴いて、その居住実態を調査することだ。  現地調査においては、そのタイミングが重要である。偽装結…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

偽装結婚について考える(4)

 偽装結婚ではないかと疑いを持たれるのはどのようなケースだろうか?  夫婦である二人を呼んで直接面接を実施すれば、二人の間に、微妙な雰囲気を感じ取り、違和感を覚えることが偽装結婚を疑う要因ともなるが、書類審査におけるものでは、申請書等に記載されている内容から推測する以外にはなく、スナップ写真ではその関係性を確認することは難しい。  …
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

偽装結婚について考える(3)

 偽装結婚して、在留資格の変更許可申請をしてきた者についての審査は、どのようなものであるかを考えてみよう。  申請するに当たり、提出する書類は、申請書、婚姻の事実が記録された文書、扶養する者の課税状況を示す文書、身元保証書、質問書(結婚するに至った経緯や資産状況、過去の履歴、親族関係の状況等を説明したもの)、スナップ写真等である。 …
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

偽装結婚について考える(2)

 結婚を偽装してまで「日本人の配偶者」「永住者の配偶者」「定住者」等の身分に関する資格を得ようとする目的の多くは、就労の制限がないことが主たる理由である。  短時間で多くの報酬を貰おうとすると、やはり風俗関係の仕事に限るのだが、その仕事に就くには活動内容に応じた在留資格では就くことができないからだ。  中には愛人関係にある者が既婚者…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

偽装結婚について考える(1)

「バイキング」では、発言することを控えていたが、偽装結婚について、思うところをお話したいと思う。 結婚を偽装するのは、二つのタイプに分けられる。  一つは就労することが認められない在留資格を有する者が、就労について規制がない配偶者に係る資格に変更しようとするもの  二つ目は、既に入管法に違反している者が、そのまま在留を継続しようと…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

11月14日、フジテレビ「バイキング」に出演します。

 偽装結婚の実態等について解説するために、11月14日、フジテレビ「バイキング」11時55分から13時42分 に出演します。  興味がある人は、是非、見て下さい。生放送ですから、失言には気をつけなくては!
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

十五 強制送還(18)

「もう収容してから二週間も経っているじゃないか?まだ、調べることが必要なのか?」  調査部門の首席入国警備官が花村にそう問い質した。収容場の収容可能人員が限られていることから、退去強制令書が発付された者は、速やかに送還してしまうのが通常だった。  退去強制令書が出てからも、違反調査と称して花村は何度もホアホアを取り調べていたが、収容…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

十五 強制送還(17)

 元は同じグループの中国人たちも、時を経て立場や回りの環境が変わるに連れて、利害が衝突してきたことが、内部分裂した理由だった。  ホアホアは東京入管の収容房で一人考えに耽っていた。  夜、日毎に寝付きが悪くなっている中で、やっと眠れたかと思うとそこに劉真栄の顔が浮かんできた。  稲川の供述から事件の全容が解明されることはなかった。…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

十五 強制送還(16)

 ホアホアは不法残留容疑で違反調査を受けて、口頭審理の請求も異議の申し出もすることなく、違反審査の認定に服し、収容されて三日後には退去強制令書が発付された。  中国人グループの者たちも、不法入国や不法残留容疑で取り調べを受け、それぞれあっという間に退去強制令書が発付された。  後は帰国する航空便を確保して、強制送還するばかりとなった…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

古城跡地の球場にて(2)

 その日の俺は、やはり普段とは違う雰囲気の中で、良い緊張感に包まれていたのかもしれない。  その良い緊張感が、普段ならやれることをやらなかった理由となるとは、その時まで俺は気付いていなかった。  一塁塁審をやっていると、三振アウトじゃなければ、一塁でのアウトコールが発生する。俺はそのコールを三種類用意していた、筈だった。  明らか…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

古城跡地の球場にて(1)

 7月29日、30日、31日の三日間、長野県上田市において開催されたJA共済杯第50回全日本選手権大会に派遣された。  久し振りの全日本選手権大会に、常に冷静であろうと思っている俺の気持ちも、自然と高まってきているのを感じながら、俺は上田市に着いた。  懇親会で、Tさんと話すことが出来た。俺はルールに忠実であろうとするあまり、その適…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

十五 強制送還(15)

 強制送還される理由については、他人名義の旅券等を行使して入国したりした不法入国容疑、許された在留期間を超えて在留している不法残留容疑、就労が認められていない在留資格のまま不法就労した資格外活動容疑が殆どの送還理由となるが、今回摘発した中国人グループについては、薬物犯罪や殺人、日本人になりすましたり、生活保護費の不正受給、正規の手続きを…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

即日許可された申請(5)

 在留資格認定証明書が交付されたら、在留中の場合は、在留資格変更許可申請をして、その結果、変更許可されるのだが、それが在留資格の変更申請した当日に、認定証明書が交付されるのと重なったということだ。  変更申請して少なくとも二から三週間待つものだと思っていた我々は、時間がかかろうとも、在留カードの即日交付を待つことにしたのは、言うまでも…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

即日許可された申請(4)

 在留資格変更許可申請を受理して貰い、その足で在留資格認定証明書交付許可申請の取り下げをしようと永住難民審査部門の相談窓口へ赴いた。  取り下げの申し出に対して、窓口の審査官はそっけない態度で応対していたが、在留中の認定証明書交付許可申請を本人がしたものなのか、夫が代理で申請したものなのかについて問われたが、二人は答えられないでいた。…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

即日許可された申請(3)

 その方策とは、「短期滞在」の在留期間を延長して、認定通知書の交付を待つか、「短期滞在」から「日本人の配偶者等」への在留資格変更許可申請をするか、この二つであるが、それは迷うことなく在留資格変更許可申請をすることとした。  在留資格変更許可申請が受理されれば、変更の許可が元の在留期限が過ぎた後も、結果に応じて手続きは必要だが、2ヶ月間…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

即日許可された申請(2)

 「短期滞在」からの在留資格変更許可申請は、原則として受け付けないが、所謂、人道的ケースについては受け付けているところ、相談に応じた者が、通り一遍の手続きを案内したものだろうと思われた。  目の前に居る人間の変更許可申請は許可・不許可の結論を出すのに、ある程度の時間制限があるが、国外に居る外国人の呼び寄せが前提である認定証明書交付許可…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more

即日許可された申請(1)

 先日、「短期滞在」で入国した後、日本国内で婚姻したことによる在留資格の変更申請を依頼された。  滞在期限を一ヶ月後に迎えるその夫婦は、婚姻を届け出てから直ぐに入管へ行ったが、相談窓口において、「観光で入った後、結婚したからといって、日本人の配偶者等の在留資格をくれと言っても、それは無理です。在留資格認定証明書交付許可申請をしなさい」…
トラックバック:0
コメント:0

続きを読むread more