手数料納付書の謎(消えた納付書案内)

 入管から葉書きが送られてきた。在留資格の変更申請について、許否の結果を通知するから、来いというものだ。
 それを受け取った申請取次ぎ行政書士は、いつも受け取る葉書きと記載内容が違っているのに、不審感を抱いた。
 以前はあったはずの収入印紙(手数料)についての案内が、書かれていなかったというのだ。
 手数料を支払わなくても良いというのは、「不許可」ということなのか。揺れ動く心のままに、申請取次ぎ行政書士は、入管に問い合わせた。不許可なのでしょうかと。
 入管は答えた。「電話でお答えするわけには参りません。葉書きに書いてあるとおり、こちらに必要なものを持っておいでください」
 それを聞いて、俺は当然のことだと思ったのだが、一つ疑問が浮かんできた。確かに中には、呼び出しの通知に「収入印紙を納付書に貼って」と明記されている場合もあったからだ。
 
 許可か不許可か、交付か不交付かは、直接窓口に来なければ答えられない。それは当然だ。何故なら許可であれば格別、不許可である場合には、救済策もなくそのまま入国警備官に引き渡され、収容されて退去強制という場合もあるからだ。
 かつて日系人の更新許可申請の不許可事案が大量に発生した時に、呼び出しても来ないというケースが続発した。呼び出し日が水曜日である場合は、不許可だ、いや呼び出しの葉書きに印がある、色々な憶測や噂が乱れ飛び、また出頭してきた者が納付書に収入印紙を貼ってきたことで、更新が許可されないのに印紙を用意しなければならないとはどういうことかと、トラブルになったりもした。
 それからのことになる、葉書きに収入印紙の記載が無くなるのは。
 局長は自分の管轄する全ての職員に、葉書きに誤解を生むような記載をしないようにと通知するのだが、従前のしきたりを大切にする部門や、不許可であっても他の在留資格を与えることが多い部門などは、事務の簡素化を旗印に、収入印紙の記載を入れていることがあった。

 今回の申請取次ぎ行政書士の疑問は、局長の指示に従わない部門の葉書きを想定していたところに、問題が発生したのだと思われた。
 申請の内容や葉書きが来るまでの期間、そしてその葉書きの全体像から考えて、「収入印紙を用意して、窓口で許可であるなら貼って提出すれば良いですよ」と、俺は助言する。

 数時間後のこと。「許可でした。ほっとしました」と連絡があった。それにしても、葉書きの記載内容ひとつをとっても、入管と申請者や取次ぎ者の間には、誤解や疑心暗鬼を生む種が潜んでいるのだ。

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