十五 強制送還(11)

 ホアホアを林静以下五人の男が取り囲んでいた。それぞれの手には凶器となり得るものが握られている。
 そんなものを手にしなくとも、ホアホア一人をどのように処理することも可能だと林静は思っていた。
「黙って出して貰えますよね、そうしたら貴方を入管まで連れて行きます。そうして大人しく国へ帰って下さい。
 後のことは我々で上手くやって行きますから、ご心配なく」
 以前はホアホアの言うがままに動いていた男だった。それがいつの間にかすっかり変わっていた。
 立場が変わったことによる自信のようなものが、林静を変貌させていたのだった。
「それなら明日の朝まで待って貰わないと駄目かもな」
 自分の腹をさすりながらホアホアは口元を緩めながら答えた。
 林静もそれに笑顔を崩すことなく答えるのだった。
「そうですか、それでは丸ごと埋めてしまいましょうか。貴方がこれまでそうしてきたように、秘密を抱えたままこの地に眠って貰いましょうか」


 続く

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック