警備処遇中の事故について考える(4)

 それは朝の点呼を終えて、収容場内がほっと一息ついている時に起こった。
 非常ベルが鳴り響く中、俺は副看守責任者のMとともに、第一ボックス横の保護室に向かった。
 そこには心臓マッサージとともに、マウストゥマウスを施している二名の入国警備官がいた。救急車の手配、上司への報告を終えた俺は、自損行為に及んだ被収容者の身柄が64条に基づく身柄受けであることに、違和感を覚えた。
 入管に収容される前に、矯正施設等で収容されていた身柄なのだった。
 そこからの事務連絡はなかったのだろうか?被収容者名簿上には何も記載されていないし、身柄を受けて護送した担当課においても、引き継ぎ事項は何も受けていなかったのだ。
 二人の入国警備官の懸命な救急措置により、救急車が到着し、救急隊委員が被収容者の身柄を引き継ぐ時には、蘇生していたのだった。
 救命措置を行った二人は少し癖のある入国警備官であったが、俺は迅速なその対応を見て、改めて二人の力量を評価することとなった。

 続く

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